松姫峠
私は、過去に、自転車でたくさんの峠を登ったことがあるが、気軽に行けるところで、一番好きな峠は、中央線の猿橋駅から登って、奥多摩の方へ降りていく途中にある松姫峠であった。奥多摩周遊道路のほうにある風張峠は、たくさんのサイクリストや、オートバイが走っているが、少し奥まったところにある松姫峠は、交通量がそれほど多くなく、いつも静かでゆっくりと景色を眺められる場所であった。
今回はエスロクで松姫峠を上ってみようと思い立ち、中央道の大月インターチェンジに向かった。
私が5、6年前まで登っていたときは、途中でトンネル工事が行われていて、松姫トンネルができることは知っていた。すでにトンネルが開通したことも分かっていたのだが、その場所に行ってみると、旧道に向かうトンネルのほうは、入口で通行止めになっていた。あんなに素晴らしい峠道を、ふさいでしまうなんて。しょんぼりと落ち込んでしまったが、松姫トンネルを初めて通り、峠の向こう側へ進んだ。トンネルはかなり長く、(あとで調べたら3kmもあった)長く工事していたのは、こんなに長いトンネルを掘っていたからだったのだなと、納得した。
トンネルを抜けると、小菅方面からの旧道は残っており、松姫峠まで登れることが分かった。エスロクのハンドルを峠道に向けてアクセルを踏み込んだ。
車で走っても気持ちのよい峠道だ。エスロクの幌をしまってオープン状態で走る。頭上には青空が広がっていて、とても気持ちがいい。松姫峠まで登ると、登山者向けなのか、バスが止まっていた。車も1台駐車していた。猿橋方面には通行止めのゲートが設置されていた。こんなに素晴らしい道を止めてしまうなんて、悲しかった。あとで調べてみると、松姫トンネルができてから、峠道の工事を行っていて、通行止めが続いているらしい。再度通れるようになってほしいものだ。
ゲートの横をすり抜けて、少しだけ下ったところにある展望のよい場所へ行ってみた。車通りのない道は、枯れ葉がたくさん落ちていて荒れた印象であるが、展望は以前のまま、とても良い景色が見れた。